戸田整形外科リウマチ科クリニック

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低い位置での作業は、前かがみよりも膝を突いた方がバランスをくずしにくい

腰痛説明
低い位置での作業は、前かがみよりも膝を突いた方がバランスをくずしにくい作業姿勢の後に真っ直ぐ立つ姿勢に戻る時にバランスを崩したり、転倒することがあります。アメリカのDiDomenico博士らは、55人の男性に腰を曲げて前にかがむ、しゃがみこむ、ひざをついて座る、ひざをついて前にかがむの4つの姿勢をした後で真っ直ぐ立った時に重心が安定するまでの時間を計りました(DiDomenico A, et al: Ergonomics.59:1288-1293,2016)。その結果、腰を曲げて前にかがむとしゃがみこむの後に立ち上がると体の重心がふらつきやすかったですが、ひざをついて座ったり前にかがむ姿勢の後では体の重心はすぐに安定しました。このため、低い位置で仕事をしなければならない時には前にかがんだり、しゃがみこむよりも膝を突いた方が立ち上がった時の体の重心が安定します。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

股関節が痛くなったら1歩の長さを長くしましょう

説明
股関節が痛くなったら1歩の長さを長くしましょう足を組むのが難しくなったら1歩生まれつき股関節が開きにくい股関節形成不全は、男子より女子に多く、女子の2~7%に起こります。股関節形成不全症があると、股関節の動きが悪いので、座って足が組みにくい、立ったまま靴下やブーツが脱ぎにくいなどの症状があります。国内のある大学では股関節にかかる負担を減らす歩行法について検討しました(小林慶弘ほか:臨床バイオメカニクス37: 77-84,2016)。その結果一歩の長さを少し広げることにより、股関節にかかる負担が減り、同時に股関節周囲筋肉の筋電も有意に増加しない歩行法でした。だから、立ったまま靴下やブーツが脱ぎにくくなった時には一歩の長さを長くしてみましょう。江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

再掲載:病院で健康保険を使って造る装具は値段が高すぎる

変形性膝関節症説明
再掲載:病院で健康保険を使って造る装具は値段が高すぎる義肢装具士が造る足底板は高すぎる義肢装具士が作製する装具には患者さんへの手渡しまでに時間がかかるという欠点があります。また、すべての部分が手作りではないにも関わらず、その価格設定が高価であるように私(戸田)は感じます。変形性ひざ関節症に対する足底板に場合、日本義肢協会が編集した「補助具の種目、受託報酬の額等に関する基準」によると、採型足底板の価格は片側で基本価格が10,800円で熱可変性樹脂費が6,900円の計17,700円であり(保険3割負担の患者の場合、患者負担は5,310円、保険負担が12,490円)、両側では35,400円です。社会一般では、電化製品に代表されるように商品の価格は製造工程の合理化などによって時代とともに下がるはずです。しかし、医療現場で作製される義肢装具は第2次世界大戦での戦傷者のために設定された戦傷病者特別援護法によって変形性ひざ関節症のような年齢の変化で起こってくる病気に対する装具でさえ値段が保護されています。私(戸田)は義肢装具士に足型をとってもらって17,700円しなくても、患者さん自身が自宅で足形に沿って足底板を切ってもらえば、もっと安価に足底板ができると考え、足首バンド付き靴の中敷きを考えました。文責:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

肥満はBMI、筋肉量の割合はSMIで評価する。男性で9、女性で7以上が理想

ダイエット説明
肥満はBMI、筋肉量の割合はSMIで評価する。男性で9、女性で7以上が理想サルコペニアは肥満より怖い肥満の度合いを判定する基準としてBMI:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が25以上が肥満だということは良く知られています。同じように筋肉痩せの度合いを測る基準としてSMI骨格筋指数があります。これは両手両足の除脂肪量(筋肉量に相当 kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます。国内の大規模調査では日本人成人男女1894例を対象にSMIを計測しました(真田樹義ほか:体力科学.59:291-301,2010)。その結果、サルコペニア(筋力低下症)の予備軍は男性7.77、女性6.12でした。グラフからは男性で9以上、女性では7以上あるのは理想的のようです。スポーツクラブにあるようなちょっと高価な電子体重計では両手両足の除脂肪量を測ってくれますので、機会があればチェックしてみてはどうでしょうか?。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

ヤンキー座りが腰痛に効くのは神経の管を広げる働きもある

腰痛説明
ヤンキー座りが腰痛に効くのは神経の管を広げる働きもあるお年寄がしゃがみこむのは神経の管を広くするための場合がある年齢の変化によって椎間板の水分量がへり、その厚みが薄くなると、椎間板の後ろを通っている神経がたるんできます。同時に、神経に栄養を与えている血管も曲がりくねってきます。そうなると当然、血行が悪くなり、神経に栄養がじゅうぶん行き渡らなくなります。このため、長く歩くと腰がだるくなって前かがみになって休んだり(間歇性跛行(かんけつせいはこう))、砂の上を歩いているようなジンジンとした感覚が足の裏に起こってきたりします。これが、腰部脊柱管狭窄症の症状です。国内のある病院では100人の脊柱管狭窄症の患者さんに腰を丸めた(曲げた)状態と腰を反らした(伸ばした)状態でコンピューター断層撮影(CT)を撮ってもらいました(神原俊輔ほか:.Journal of Spine Research.1: 1104-1107,2010)。その結果、椎間板の断面で腰を曲げた時の方が伸ばした時よりも神経の面積が広くなっていました。だから、街角で腰を丸めて座っているお年寄を見ることがありますが、あれば単に休んでいる場合だけではなく、神経の管を広げている場合があります。同じように、ヤンキー座りでも腰が曲がるの神経の管を広げるのに役立ちます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝