子供の頃の骨折を放っておくと中年になって神経麻痺がでてくる
子供の頃にうんていや鉄棒などの高い所から転んで手をつき、肘を骨折した人は結構多いと思います。でも、子供の時だからどんな骨折か理解できませんし、親も病名まで覚えていないことが多いと思います。子供の肘の骨折は真ん中が折れる顆上骨折と外側が折れる外顆骨折と内側が折れる内顆骨折の3種類がありますが、一番、後遺症が出やすいのは外側が折れる外顆骨折で、次に真ん中が折れる顆上骨折です。内顆骨折はほとんど後遺症が残りません。外顆骨折の後遺症では肘を伸ばした時にL字型に曲がる外反変形が起こり、顆上骨折ではО型になる内反変形が起こることがあります。この外反変形や内反変形が残っていると、骨折から20年以上たってから小指や薬指が麻痺してくる尺骨神経麻痺がでてくる場合があります(柳原泰:綜合臨床.55: 2232-2236,2006.))。だから、小さい時に肘を骨折した覚えのある人は病院に行って将来神経麻痺がでるタイプかどうか診断してもらっておいてください。文献の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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