50歳以下の人では骨盤の動きが悪いと床からの立ち上がりの点数が低い
ブラジルのリオデジャネイロ大学の研究では、50歳以上の人では床に座ったり、床から立ち上がったりする際に手や膝を着く人は、手や膝を着かない人にくらべて6年以内に死ぬ確率が2倍高いことがわかりました(Brito LB et al. Eur J Prev Cardiol. 21:892-898.,2014)。それでは、50歳以下の人では床に座ったり、床から立ち上がったりする点数(以下、床から立ち上がりの点数と省略)は何を意味しているのでしょうか?僕らは102人の50歳以下の人に床から立ち上がり試験をしてもらい、同時に前屈した時の指先から床までの距離を測りました。床からの立ち上がり試験では、しゃがみこみと立ち上がりを各5点で10点満点として、膝や手をついてしまった時はマイナス1点、バランスを崩した時にはマイナス0.5点、立ち上がる時に足とクロスした時にはマイナス3点としました。その結果、男性の平均点は7.6点で正常値は7点以上でした。女性の平均値は8.3点で正常値は7.6点でした。床から立ち上がりの点数は前屈した時の指先から床までの距離ときれいな正比例をしめしました。
つまり、前屈した時に指先が床に付く人は骨盤の動きがスムーズで骨盤が前に回転しやすい人です。つまり、日常生活で座りっぱなしの仕事をしていて骨盤の動きが悪い人では、床から立ち上がりの点数が低いことがわかりました。文責: 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
前の記事へ | TOPヘ | 次の記事へ |