社会人になってからの筋力に遺伝は関係ない
「生まれつき運動音痴だから、社会人なってまで運動したくない」という人が時々います。確かに、骨格筋の形は約60%が遺伝できまります。ある調査ではオリンピックや国際大会に出場するスポーツ選手の3人2人(66%)の親は同じように国際大会に出場したスポーツ選手でした。しかし、握力の10年間の変化を追跡調査した研究では63 歳においては遺伝率が35% でしたが,73 歳の時には22% までに減少していました(村上 晴香ほか: 体力科学.65: 277-286,2016)。つまり、年をとってからの筋力は遺伝では自分の努力次第で差がでてきます。だから、社会人になったらスポーツとしての運動ではなく、体力維持のための運動をすれば、誰でも健康が維持できることになります。
。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
前の記事へ | TOPヘ | 次の記事へ |