低い位置での作業は、前かがみよりも膝を突いた方がバランスをくずしにくい
作業姿勢の後に真っ直ぐ立つ姿勢に戻る時にバランスを崩したり、転倒することがあります。アメリカのDiDomenico博士らは、55人の男性に腰を曲げて前にかがむ、しゃがみこむ、ひざをついて座る、ひざをついて前にかがむの4つの姿勢をした後で真っ直ぐ立った時に重心が安定するまでの時間を計りました(DiDomenico A, et al: Ergonomics.59:1288-1293,2016)。その結果、腰を曲げて前にかがむとしゃがみこむの後に立ち上がると体の重心がふらつきやすかったですが、ひざをついて座ったり前にかがむ姿勢の後では体の重心はすぐに安定しました。このため、低い位置で仕事をしなければならない時には前にかがんだり、しゃがみこむよりも膝を突いた方が立ち上がった時の体の重心が安定します。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
前の記事へ | TOPヘ | 次の記事へ |