再掲載:和式トイレが減ってから膝を傷める子供が増えた
慈恵大学の調査では、5秒間しゃがみこみができなかったサッカー選手23人に2年後に電話をして「この2年間で膝の腰が痛くなりましたか?」と質問をすると20人つまり67%が「痛くなった」と答えました(川井謙太朗ほか:理学療法科学.30: 783-786,2015)。また、他の研究では、手を後ろに組んでしゃがみこめる高校野球選手はそれができない選手に比べて、足首を反らすことができる角度が大きかったです(吉田真ほか:北海道理学療法.21: 52-55,2004)。つまり、足首が柔軟でしゃがみこみが5秒以上できる人は、膝を傷める可能性が低いです。
一言にしゃがみこみと言っても、3段階ありますので、やってみましょう。こける時は、後ろむきにこけますので、スカートの方はカメラに向かって横向きになって下さい。ご家庭で行う時は後ろに角のある物がないか確かめて下さい。
1)まず、ひざを閉じて、足を平行にして立って下さい。そのまま踵を地面にしっかりつけたまましゃがみこみます。
この段階で後ろに転んだ人は端にも棒にもかかりません。
2)次に、手を前に伸ばして5秒間座ります。この状態ではまだ足首の後ろのアキレス腱はあまり伸びていません。いきます。1,2,3,4,5。これができれば第1関門突破です。
3)次に、手を前で組みます。こうするとアキレス腱が伸びてきます。踵を浮かさないで下さいね。いきます。1,2,3,4,5。これができれば第2関門突破です。
4)最後です。僕は多分途中で倒れますが、手を後ろに組みます。
こうすると重心が前に移動して、アキレス腱がとても伸びます。1,2,3,4,5。これができれば第3関門突破、合格です。
最近は踵の高い靴を履く人が多く、そういう人はアキレス腱を伸びにくくなっています。トレーニングを兼ねて、しゃがみこみを時々やってみて下さい。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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