17年前のアメリカと同じ。「神の手」の欠点
Sarmiento(サルミエント)先生(南カリフォルニア大学元教授)は、今から17年前の2000年の日本整形外科学会総会で「整形外科学の将来に関する考察」という題名の講演をされました(Sarmiento A:J Orthop Sci 5:425-430,2000)。人工関節置換術やペディクルスクリューを使った手術ではテレビなどで多く紹介された「神の手を持つ」と呼ばれている一握りの整形外科医が沢山の手術を行っています。手術の後も含めて的確な治療ができでこそ「神の手」になるはずなのに、彼らは術後の看病は部下の医者に任せっきりです。神の手を持った医者は自分の手術がどんなに素晴らしいか示すために手術の成績を論文にしますが、その成績は直接診察した成績ではなく、多くはアンケートによる調査です。人工関節置換術やペディクルスクリューはマニュアル通りすれば、誰がやっても同じ結果になるはずです….17年後の日本でも同じことが起きていると僕は思います。(論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝)
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