人工関節の業者の医者に対する過剰なサービスが問題
今から24年も前に山内先生は、米国のSarmiento先生の文章を次のように訳しておられます(山内裕雄:整・災外36.1161-1164,1993)今後の整形外科の大きな問題点の一つに人工関節を販売する業者と整形外科医の癒着があります。日本では製薬会社の医師に対する接待は厳しくなってきましたが、人工関節販売業者には規制はまだ緩いです。業者が後援する研修会では、その会社の人工関節を宣伝してくれる講師を選ぶように圧力をかけてくることがよくあります。業者が推薦した医師の講演では、その製品による失敗例や合併症については過小評価され、あまり多く話しません。人工関節は時々、モデルチェンジしますが、その改良には科学的実験結果に基づくものではなく、他社の製品の良いところを真似したに過ぎないことが多いです。整形外科医は人工関節の販売は石鹸やコーンフレークの販売と同じであってはいけない。医療が他の商業活動と異なるのは倫理的基盤が重要であることを忘れてはいけません。24年たった今、その傾向は益々強くなっているように僕が感じます。江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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