超肥満ではない人の膝の痛みには半年に一度のステロイド注射は安全で有効
ステロイドと聞くと「顔が丸くなる」、「ばい菌が入り易くなる」など副作用がこわいというイメージがある薬ですね。でも、それは飲むステロイドの話であって、飲むから全身に回っていろいろな副作用がでますが、注射の場合はその部分にしか回りにくいので、副作用は少ないです。欧米では膝の痛みに「ヒアルロン酸は効果はない」という考えが一般的です。ヒアルロン酸注射は日本の製薬会社が初めて造ったので、日本では重宝されていますが、本当に効いているのか僕は疑問です。Matzkin博士の研究では1度のステロイド関節内注射と運動療法によって痛みが注射前に比べて注射後6ヶ月間有意に改善し続けていました(Matzkin EG, et al: J Am Acad Orthop Surg. 25:703-714,2017)。しかし、超肥満(BMI30以上)でかつ骨の破壊が進行した患者さんでは、注射後3週間以降は痛み悪化していました。だから、普通の体格の人はここぞという時には怖がらずにステロイド関節な注射を打っても良いと考えます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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