脊髄損傷もサルやウサギでは治すことができる
iPS細胞から作った神経細胞をサルの脊髄損傷に移植すると、神経がつながって、運動機能も回復しましたが、一部のサルでは腫瘍化するiPS細胞があります(名越慈人ほか:Medical Science Digest.43: 14-17,2017)。そこで国内のある大学2)ではサルに頸髄損傷を起こし、肝臓の細胞を増やす肝細胞増殖蛋白を脊髄内に4週間注射したところ、運動機能が回復しました。また、中国ではウサギの大動脈を止めて起こした脊髄損傷に肝細胞増殖因子を注射したところ2週間で機能が回復しました。なお、2014年から人間の頸髄損傷に肝細胞増殖蛋白を使う試験が行われています(Shi E, et al:Anesthesiology. 113:1109-17,2010)。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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