腰痛に対するストレッチ。代表的な体操から一つずつ推薦します
腰痛に対するストレッチ法には2種類あります。「腰を反らす体操」と「腰を曲げる体操」です。腰を反らす体操の代表が、ニュージーランドの理学療法士・マッケンジー先生が開発した「マッケンジー体操」です。赤ちゃんのハイハイ・ポーズに似た体操で、デスクワークなど普段腰を曲げて作業をしている人には、このマッケンジー体操を優先すべきだという意見が多いです。
腰を曲げる体操の代表が、イギリスのウィリアムス先生が開発した「ウィリアムス体操」です。この体操は背筋群、大殿筋、ハムストリングスのストレッチを行うことで、腰部にかかる負担の軽減を目的としています。さまざまな姿勢がありますが、とくにひざを手で抱え込む体操がおすすめです。
マッケンジー体操とウィリアム体操のどちらを優先すべきかは専門家の間でいまだに結論が分かれています。なぜなら、同じ腰痛でも腰を反らした時に痛みが強くなる人もいれば、曲げた時に痛みが強くなる人もいるからです。
それならば、体を反らした時に痛みが強くなる人は、逆の体を曲げる体操であるウィリアムス体操だけを行えばいいという考え方もありますが、それでは背筋だけがストレッチされて腹筋はストレッチされません。できれば、マッケンジー体操(3種目)とウィリアム体操(6種目)の両方行うべきなのですが、9種目の運動を毎日行う時間はなかなかありませんよね。
そこで私がおすすめするのが、マッケンジーとウィリアムスの代表的な体操1種類ずつを20秒間ずつ行う「ちょいトレ流マッケンジーとウィリアムス体操」です。マッケンジー体操の方法は、うつぶせになって両手のひらからひじまでを床につけた後、二の腕を立てて上半身をできるだけ起こします。この姿勢を20秒間キープしましょう。
もう一つ、ウィリアムス体操は寝ころがって、ひざを胸につけるように折り曲げます。このとき、背部の筋肉や腰部の筋肉が伸びるのを意識しましょう。この姿勢を20秒間キープします。
この二つの体操を朝起きてすぐと夜寝る前に寝床(ベッドでも布団でも)で1日2回行いましょう。
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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