日本でもポリオの後遺症に苦しむ人は沢山いる。
私はロータリーのストップポリオ事業について発展途上国での活動ばかりが話題になるのが不思議でした。日本でも昭和40年頃までポリオにかかる人は多く、それらの方は未だに後遺症に悩んでおられるからです。一度ポリオにかかるとどれだけ難儀かを知っていただいた方が日本では募金活動がはかどるように僕は思います。
日本でもポリオの悲劇は続く。根絶しよう世界のポリオ!
私は整形外科医師であり、ポストポリオ症候群の患者さんを沢山治療しています。写真の女性は68歳。6歳の時にポリオにかかり、右腕に後遺症が残り、右腕が未だに挙がらず、日常生活に不自由があります。「6ヶ月も入院していたの。毎日痛い注射を打たれていたのを覚えている。その間、小学校に行っていなかったので、未だにたし算が苦手なの。算数苦手が私の後遺症かな」と彼女は冗談混じり話してくれます。確かに日本では新規のポリオ発症者はいなくなりましたが、60年以上ポストポリオで長く苦しんでいる人は沢山います。このような長い苦しみは一刻も早く世界から根絶しなければいけません。
解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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