変形性膝関節症にはのり缶やお茶缶を使って膝の裏を伸ばそう
ストレッチの話をします。ストレッチの基本は、「深く曲げる」と「おもいっきり伸ばす」の二点です。まずは深く曲げるストレッチ。可能な限りひざを曲げて、両手でひざを抱え込む姿勢を30秒間維持します。これを4セット行います。次に、ひざを伸ばすストレッチです。これは、自分の力だけではなかなか難しいので、「テコ」の力を使います。テコの支点にするのは、直径約7cmの家庭用「海苔缶」もしくは「お茶缶(茶葉が入った缶)」です。
まず、脚を投げ出して座り、海苔缶もしくはお茶缶の中心を、ひざの裏の内側に置きます。そして、脚全体を内側に軽くねじり、ふくらはぎの内側で缶を2分間、上下数センチほど転がします。このストレッチを朝起床時(寝床で)と夜お風呂上がりの1日2回行います。
この海苔缶ストレッチは、どのような人に効果があるのでしょうか? 僕の研究では変形性ひざ関節症患者27人に協力してもらって、ひざを抱え込むストレッチと海苔缶ストレッチを行ってもらいました。8週間後に、痛みが改善した度合いは治療前にひざの伸びにくい患者さんほど、治療成績がいいという比例関係がありました。
解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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