中国鍼では火針鍼を変形性膝関節症の治療に使う。
日本では鍼灸治療院でも変形性膝関節症の治療を行っています。山口先生の解説によると鍼灸は人間が持つ傷の修復作用を利用して、痛みにより固まった筋肉の緊張を緩和させます。人間が体に傷を負うと血液循環が促進されるのですが、鍼灸では鍼やお灸を使い、あえて微細な傷を作り出すことで、血液循環を促し筋肉の緊張を緩和させます。日本では変形性膝関節症に対して鍼とお灸を一緒に行うことが多いです。お灸を併用することによって局部の気血の流れを良くして、痛みや関節内に関節液が溜まる症状を改善していくからです。
中国では鍼で刺激して灸で温めるのではなく、鍼その物を焼いて温めて打つという火針鍼が変形性膝関節症の患者さんに行われています。Gao先生達によると焼き刺激が患部の血管を拡張し、浸透圧を改善し、体のストレス反応を刺激し、自己修復能力を促進するそうです。また、火針鍼には局所免疫反応を抑制し、関節の腫れや硬直を解消して痛みを和らげる働きがあります。方法は針本体の先端と中間部分がアルコールランプで赤く焼けたら、針を深さ約0.5 cmで3回ずつ素早く刺し、引き抜きます.解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
前の記事へ | TOPヘ | 次の記事へ |