痛みに敏感になっている変形性膝関節症にはうつ病の薬が効く。
「痛み」が長く続くと、脳や脊髄などの中枢神経系に変化がおこり、「痛み」に対して敏感になります。 この変化を「中枢感作」と呼び、さまざまな治療によっても緩和されにくい「慢性痛」の原因の一つになります。Dahmani先生達の研究では178人の変形性膝関節症患者さんの痛みの度合いと中枢感作のスコアが比例し、うつ病、不安、および破壊的な思考に関する自覚症状とも正比例していた。
久米先生達は、43人の変形性膝関節症の患者さんを痛みに対して敏感になっている中枢感作の程度を知るためのCSIという質問表が30点以上を中枢感作ありグループ、30点未満を中枢感作なしグループに分けました。そして43人の患者さんにデュロキセチンといううつ病の薬を飲んでもらいました。その結果、中枢感作ありグループの改善率はすべての項目で中枢感作なしグループより明白に優れていました。解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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