
Tominaga先生達は大腸がんで手術をした3015人を40歳未満の若年群(52人)、40~54歳の中年群(254人)、55歳以上の高齢群(2709人)に分けて比較しました。その結果、全体に占める40歳未満である若年患者の割合は年々増加しており、2016年の0.63%から2021年には2.10%となっていました。若年群は高齢群に比べて、女性患者の割合が高く、腫瘍も大きく、リンパ節に転移している確率も高かったです。一方、若年群は老齢群に比べて術後患者さんの全身状態や日常生活を送る能力が高く、3年間再発しない確率も高かったです。つまり、40歳未満の大腸がんは見つかると手術で助かる確率が高いが、手術しないと進行が早いことがわかりました。だから大腸がんの検診は40歳未満から受けることをお薦めします。
女性に大腸がんが多い理由の一つは便秘になりやすいからです。国立がん研究センターの「がん統計」によれば、二〇二〇年にがんで亡くなった女性のうち、最も多かったのが大腸がんによるもので、約二万四千人が亡くなっています。女性は大きな骨盤や子宮の影響で男性より便通が滞りやすいので便秘になりやすいです。便秘なると便が固くなり、固くなった便が腸の壁を傷つけ大腸がんが起こりやすくなります。藤川先生らの調査ではウォーキングによって改善率の高い上位3項目は「活気の低下」「落ち着かない」、第3位は「便秘」でした。だから、便秘の女性は是非、ウォーキングをして下さい。解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝