交通事故などの外傷で起きた変形性膝関節症は精神的要因で手術成績が悪い。
Li先生達の調査では人工膝全置換術を受けた137人の変形性膝関節症患者さんの術後成績に対する外傷後ストレス症状が与える影響を調べました。外傷後ストレス症状とは生死に関わるような強い恐怖体験(トラウマ)の後に、その記憶がフラッシュバックしたり悪夢を見たり、体験を思い出させるものを避けたりする症状です。その結果PTSのあった患者ではなかった患者に比べて術後成績の改善度が明白に低かったです。また、変形性膝関節症を起こす原因になった外傷の経験のある人はない人に比べて外傷後ストレス症状の発症する割合が多かったです。このように大きな交通事故や大地震などの自然災害を経験した患者さんが人工膝関節置換術を受ける場合は、まず精神的なケアを受ける必要があると考えられます。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝 | 前の記事へ | TOPヘ |
