わずか2cmのヒールでも膝への負担を増やす。片脚立ちでバランスを鍛えよう
アメリカのシェーカー先生は、靴を履いた時に比べて裸足の時の方が膝にかかる負担は減ると報告されました。その理由は、靴にはヒールがついているからです。では、靴のヒールによる悪影響と足底板を入れることによる好影響はどちらが強いのでしょうか?私は、75人の変形性ひざ関節症の患者さんの中で室内履きとして、38人には平坦なスリッパを、37人には高さ2cmのヒールを付けた平坦なスリッパを渡して、「家の中では、このスリッパに足底板を入れて履いて下さい。」と指導しました。そして、4週間治療前後での日常動作の困難度の改善点数を比較しました。 その結果、ヒールなしスリッパに足底板を入れた人達では平均で1.5点困難度が改善しましたが、2cmのヒールの付いたスリッパに足底板を入れた人達では、平均1.2点悪化しました。この差は統計学的にも明白でした。このように、室内ではできるだけ裸足に靴下だけを付けた状態で歩いた方が膝にも足首にも良いです。
足首と言えば、高橋先生達は102人のバスケットボール選手に目をつむって片足ずつで立ちさせ、揺れの度合いを比べました。その結果、捻挫をしたことのある人では、捻挫をしたことのない人に比べて、片足立ちでの揺れの度合いの左右差が大きかったそうです。捻挫予防には目をつむって片足立ちです
解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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