冬の乾燥肌には、熱い風呂への全身浴を避け、露出部をぬるま湯に浸そう
今年も寒くなってきましたね。温泉の源泉に行くと熱いお湯、足だけ浸けててゆっくり入る風呂に入る経験が、熱い風呂=温泉気分になるのかもしれません。しかし、日本では入浴中の突然死が年間約14000人でています。これは他の国に比べて高い割合です。
しかし、熱いお湯はお肌に良くありません。岡田先生らは37℃・40℃・43℃の温浴10分間・終了後20分間の角層水分量・水分蒸散量の変化を検討しました(岡田 ルリ子ほか.愛媛県立医療技術大学紀要.3:45-49,2006)。その結果、37℃および40℃温浴の温熱刺激における角層水分量は、水分蒸散量の増加にもかかわらず高い水準を保持する傾向がみられました。一方、43℃温浴においては、水分蒸散量の増加とともに角層水分量は減少し、皮膚乾燥傾向を示すことが分かりました。だから、女性はお肌のためにぬるめのお風呂にはいりましょう。国内のある大学では10人の健康な女性の片方の腕をお湯に漬けた時の反対の手の角質層の水分量の変化を調べました(岡田ルリ子ほか:体力科学62: 315-321,2013)。その結果、手を漬けて10分後から反対側の手の潤いが統計学的に明白に潤いました。そして手を漬けるのを止めて60分後まで統計学的に明白な潤いは続きました。だから、寝たきりになっておられる方の皮膚のケアのためには、まめに露出部をお湯に浸してやることだと考えます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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