膝の痛みや腰痛にサプリメントが効くという論文の信憑性が薄い理由
僕は2024年4月28日に医学中央雑誌WEB SITEを用いて「抄録あり」、「サプリメント」、「整形外科」をキーワードとして履歴プラス検索をしたところ95編集が表示されました。この95編の中で、1)2017~24年までの8年間の文献、2)整形外科疾患を対象、3)対照群と比較した試験の3条件を満たす文献は9文献でした。この9文献の中で6文献(67.7%)の筆頭著者はこのサプリメントを製造している会社に所属している方でした。9文献中7文献(77.8%)が整形外科系列ではなく薬理学の医学雑誌に掲載されていました。筆頭著者が製造会社に所属していた6文献の結論はすべて有効でしたが、医師が筆頭著者であった3文献の結論は「ある種の症例では有効」でした。このようにサプリメントが整形外科疾患に有効とする文献には、利益相反があり、薬理雑誌に掲載されていることが多いので、僕は信憑性が低いと考えます。解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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