自覚症状がない病気の進行を抑えるのは難しい。
高齢者が寝たきりになる原因の一つである大腿骨頸部骨折には手術が行わることが多いですが、手術の傷から雑菌が入ると手術しても寝たきりになることが多いです。雑菌は本人の尿から感染することも多いです。畑中先生達によると入院した時に尿に雑菌がいなくても入院中に男性では20%、女性では51.6%で尿から雑菌が検出されたそうです。女性で雑菌が増えやすい理由は入院中には自分でトイレに行けなくなることです。だから、ご家族の方は御本人に尿路感染症の症状がなくなっても主治医に術直前の尿検査の結果とその対策についてしっかりと確かめておいた方が良いと思います。
骨粗鬆症は転倒して骨折しなければ、患者さんは痛くも痒くもないので積極的に治療してくれないからです。患者が治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受けることをアドヒアランスといいますが、骨粗鬆症の治療ではアドヒアランスが低いのです。新美先生の解説によると骨粗鬆症治療は初発骨折予防と再骨折予防という2つの目的のために行われる。再骨折予防では骨折が同一患者に何度も発生する“骨折の連鎖”を断ち切るため毎日投与される場合もあります。毎日投与となると益々患者さんのやる気がなくなります。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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