貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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高齢者のブレーキの踏み間違い予防に素早く立つ歩く座る訓練をしよう

また、幼い子供が巻き込まれる高齢者による事故が起こってしまいました。福岡県久留米市で2022年2月14日、ラーメン店に車が突っ込み、0歳児と1歳児を含む客ら6人がケガをしました。車を運転していた70代の女性は「アクセルを踏みすぎた」と話しているということです。東京・池袋で2019年4月、当時87歳の高齢者が運転する乗用車が暴走し、母親と3歳の長女が死亡した事故は世間に衝撃をあたえました。池袋で暴走した高齢者は認知機能は正常でしょうが脚の運動機能は低下していたように僕には見えました しかし、農村部では運転しなければ生活が困難。問題は副作用を知らずに薬を飲んでいる高齢者が多いことです。Murakami-Nakayama先生達の調査では平均年齢72歳の170名の運転頻度は毎日が82.3%でした。運転免許所有者のうち68.4%は慢性疾患に対する薬を飲んでおり、最も多かった薬は眠気が出ることがあるので服用後運転が禁止されている高血圧の薬とうつ病の薬でした。↓つまり、全国一律に免許の制限年齢を決めることは難しいと思います((Murakami-Nakayama MasahiroSource: 医療薬学.46:205-210,2020.) 上出先生達の研究では高齢者18名でシミュレーターを用いてアクセル・ブレーキ操作の誤操作回数計測し、同時に椅子から立ち上がり歩いて帰ってきて座るまでの時間を計測しました。その結果、ブレーキとアクセルを踏み間違う高齢者は立ち上がって歩いて座るまでの時間が長かったです。つまり、高齢運転者の誤作動には認知症のみならず、運動機能の低下が関係していました。(上出直人ほか:理学療法科学.34: 777-781,2019)。だから、運転をなさる高齢者は以前の動画でお見せした椅子から素早く立ち上がる訓練などをして立つ歩く座る能力を鍛えましょう 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝