2月18日「ラジオ体操は65歳以上には向かない」発売
ラジオ体操やウォーキングなどの有酸素運動(呼吸しながらする運動)は持
久力を高めますし、高血圧など内科的疾患の改善にも効果があります。
しかし、筋力トレーニングなどの無酸素運動(呼吸を止めて力を出す運動)をしないかぎり、筋肉は年齢とともにどんどん衰えていきます。なかでも脚の
筋肉は腕の筋肉に比べて老化しやすく、曲げる筋力より伸ばす筋力のほうが
老化しやすいことがわかっています。
ひざを伸ばす筋力はとくに衰えやすく、30歳での筋力を100%とすると、
70歳では60%にまで低下します。だからこそ、高齢者にはひざを伸ばす筋力
トレーニングが欠かせないのです。しかし、ラジオ体操は上半身(腕を回すなど)の運動が中心で、ひざを伸ばす筋肉を鍛える運動がありません。
ラジオ体操にはいい面もあれば、足りない面もあります。その人の年齢や体力、病状によっては、逆効果になることさえあり得るのです。とくに、ひざが痛む人の多い高齢者には、ラジオ体操はあまり向いていません。 ラジオ体操をするにしても、その点をよく理解したうえで行い、足りないところは適切な運動で補うべきなのです。
この本を読んでいただければ、ラジオ体操のどこがよくて、どこが足りないか、それを補うのにどんな筋力トレーニングをすればいいのかご理解いただけるはずです。
戸田整形外科リウマチ科クリニック 戸田佳孝
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