ある種の骨粗鬆症治療薬を服用中に抜歯をすると0.2%の確率で顎骨壊死になる。
田中先生達の報告ではデスノマブ(商品名:プラリアなど)を打っている最中に歯の治療を行ったところ顎骨壊死、つまり顎の骨が溶けて、さらにそこにできた穴が外部の皮膚とつながった外歯瘻を生じた症例を報告しています。プラリアは半年に一度筋肉に注射をするだけなので非常に便利なのですが、この副作用が整形外科医としては残念です。
骨を壊す破骨細胞の元気をなくす骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネートを飲んでいると歯医者さんでの治療が困難になることがあります。その理由を建物の解体工事に例えると廃材をそのままにしていると瓦礫となり、建物の強度が弱くなってくるからです。ビスホスホネートによる顎骨壊死の発症頻度は抜歯などの歯科治療を行った場合,0.09〜0.34%と報告されています。Tanaka先生達の研究では半年に1度皮下注射する破骨細胞の元気をなくす骨粗鬆症治療薬でも0.2%の確率で顎骨壊死が起こりました。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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