つつがむし病では関節痛もでてくる
船橋市保健所は1月6日、ダニ類の「ツツガムシ」に刺されて発症する感染症「つつが虫病」になった同市の70代無職男性が、敗血症で死亡したと発表しました。ご冥福をお祈りします
聖徳太子が随の煬帝に送ったと言われる国書「日出処の天子、書を没する処の天子に致す。つつがなきや」は、日本の国名の由来とも言われる有名な文章であり、この言葉で煬帝は「小さい国の癖にタメ口聞くな」と怒ったそうです。「つつがなきや」とは、「ツツガ虫に咬まれていませんか?」という意味で、現代でも季節の挨拶で「お陰様でつつがなく暮らしています」と書きますね。
今でこそ殆ど見なくなった虫ですが、昔の日本には沢山いました。それだけに現代はツツガムシ病の症状がわかりにくくなっています。ツツガムシ病はダニの一種であるツツガムシによって運ばれてくる病気です。5~14日の潜伏期間があり、リンパ節が腫れてきて、咽頭痛、関節痛がでてきます。虫の刺し口が診断の決め手となります。関節痛があるので整形外科に来られることもあります。「風邪をひいて、関節痛があるんだろう」とあなどらず、真ん中がへこんだ黒いかさぶたのある刺し傷があれば、病院に行って調べてもらいましょう。
解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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