ひざの痛みのある所に打つステロイド注射は副作用が少なく効果がある
ステロイドと聞くと世の中で一番危険な薬のようなイメージがある人が多いです。しかし、それは飲むステロイドの話であり、飲むから全身に回って副作用を起こしますが、局所注射でのステロイドは全身に与える影響は少ないです。変形性ひざ関節症の注射療法において,痛みが強い場合,ヒアルロン酸関節内注射では十分な鎮痛効果が得られない場合が多いです。ステロイド関節内注射は鎮痛効果は強いですが、雑菌が繁殖する危険性があります。菊地先生達は痛みの強い変形性ひざ関節症患者さんに対して,関節の周りで圧迫して痛む部分にケナコルトというステロイド剤の局所注射を行いました。その結果、注射部位に一時的な皮膚の変色か生じることがあったが、重篤な副作用はありませんでした。注射直後の有効率は97%、2週後は91%、4週後は64%でした(菊地忠志, 高橋洋二郎, 紺野愼一:変形性膝関節症に対するトリアムシノロンアセトニド圧痛部位注射の有効性.JOSKAS.45: 242-243,2020.)。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長戸田佳孝
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