ゲンコツより平手打ちの方が耳に与える傷害が大きく後遺症が長続きす
2022年3月28日に行われたアカデミー賞授賞式で、ウィル・スミスさんがクリス・ロックの顔を平手打ちする騒動を起こしました。平手打ちなら大きな怪我はしないと思われがちですが、拳で顔を殴るよりも平手打ちの方が耳に後遺症を残す可能性が高いです
高野先生の調査では外傷性鼓膜穿孔の30人のうち、平手打ちで起きた者は20人と66%と最も多く、ついで耳掃除6例の20%だったそうです。つまり、平手打ち以外で鼓膜が破れることは少ないようです。鼓膜がやぶれた後には耳閉感という耳の中に何かが詰まっている感じ、または耳がふさがれた感じをいい、よく高い山へ登ったときに耳に感じる違和感が後遺症として長く続きます高野信也ほか: 耳鼻咽喉科臨床.96:885-889,2003.)。
。僕は何が言いたいかというと平手打ちが相手に与える損害は大きいということです。
ちなみに、小児の感染症である伝染性紅斑、別名米りんご病で頬が赤くなる症状を平手打ち様紅斑といいます。
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長
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