スノーボードでは手首の骨折と鎖骨骨折の予防のためバードドックをしよう
北京オリンピックが行われていますが、平野歩夢選手の怒りのエネルギーからの金メダル、素晴しかったですね。↓スノーボードの事故で最も重傷なのは脳外傷です。それを防いでくれるのはヘルメットですが、浦辺先生達はスノーボーダーのヘルメット装着率を地域別に比較しました。北海道は76.9%、長野は29.0%、広島は19.8%と北海道で装着率が高かったです(浦辺幸夫ほか: JOSKAS 46:212-213,2021)。広島のスノーボーダーの皆さん、北海道を見習いましょう。
スノーボードの外傷で気をつけてもらいたいのが手の骨折です。Shiotani先生達の調査では手の骨の骨折はスキーによる怪我ではたった2.4%でしたが、スノーボードでは手首外傷は16.4%もあったそうです。特に手掌がボードの前方で地面に衝突した際に手首骨折が発生する可能性が高かったそうです(Shiotani Eiji, et al: The Showa University Journal of Medical Sciences.30:123-131,2018.)
尾崎先生らの調査では、スノーボードによる外傷では最近、鎖骨の骨折が増えていることを指摘されています(尾崎猛智ほか:JOSKAS.41:1079-1083,2016)。鎖骨骨折など体幹の骨折を防ぐためには神経・筋コントロール運動が良いです。このため、スノーボードの準備体操として雪の上で左右反対の手足を伸ばすバードドックを立ったままするのが良いと思います。
論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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