ヤンキー座りが腰痛に効くのは神経の管を広げる働きもある
年齢の変化によって椎間板の水分量がへり、その厚みが薄くなると、椎間板の後ろを通っている神経がたるんできます。同時に、神経に栄養を与えている血管も曲がりくねってきます。そうなると当然、血行が悪くなり、神経に栄養がじゅうぶん行き渡らなくなります。このため、長く歩くと腰がだるくなって前かがみになって休んだり(間歇性跛行(かんけつせいはこう))、砂の上を歩いているようなジンジンとした感覚が足の裏に起こってきたりします。これが、腰部脊柱管狭窄症の症状です。国内のある病院では100人の脊柱管狭窄症の患者さんに腰を丸めた(曲げた)状態と腰を反らした(伸ばした)状態でコンピューター断層撮影(CT)を撮ってもらいました(神原俊輔ほか:.Journal of Spine Research.1: 1104-1107,2010)。その結果、椎間板の断面で腰を曲げた時の方が伸ばした時よりも神経の面積が広くなっていました。だから、街角で腰を丸めて座っているお年寄を見ることがありますが、あれば単に休んでいる場合だけではなく、神経の管を広げている場合があります。同じように、ヤンキー座りでも腰が曲がるの神経の管を広げるのに役立ちます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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