人工膝関節の手術後の痛みを和らげてくれる内転筋管ブロック注射。
変形性膝関節症で痛みが強い場合、膝の内側上方で伏在神経が筋膜を貫き表面に出てくる内転筋管にブロック注射を打ちます。Kim先生達は48人の難治性疼痛を伴う変形性膝関節症患者への内転筋管ブロックに麻酔薬であるリドカインだけを使うリドカイン単独群(24人)またはリドカインとステロイド剤であるトリアムシノロン群(24人)のいずれかにランダムに割りつけ、2ヶ月後の治療成績を比較しました。その結果、局所麻酔薬とステロイドを組み合わせると、短期間の痛みの軽減をもたらしました。しかし、ステロイド投与の臨床上の利点は、局所麻酔単独と比較して明らかではありませんでした。
「膝の手術は骨を切るので痛そう」というイメージがある方が多いでしょう。大越先生達の調査では人工膝関節置換術に膝の内側の痛みに関係する伏在神経が筋膜を貫きでてくる内転筋管に持続性ブロックチューブを入れておくと、手術直後の痛みが和らぎ大腿四頭筋の筋力も保たれました。
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