貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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人工膝関節は95%以上の確率で成功する。でも成功しなかった時は治療が難しい。

人工関節周囲感染(Prosthetic Joint Infection:PJI)とは、人工関節の周囲に感染が起きることであり、その確率は0.5~1%ほどとそれほど高くはありません。しかし、いったん感染が生じた場合は治療が難しいです。なぜなら人工関節には血管が通っていないので抗生物質が行き渡らないからです。尾池先生達の調査では582人の人工膝関節を受けた患者さんの中で人工関節周囲感染を起こったのは5人で確率は0.86%でした。感染した5人中3人が糖尿病を持っており、糖尿病は明らかな人工関節周囲感染の危険因子であると述べています。 高井先生達の調査では術前の仙骨傾斜角が35度未満の患者さんは35度以上の患者さんに比べて、人工膝関節術後の膝を伸ばすことのできる角度が少なく、成績が悪かったそうです。また、増田先生の調べでは人工膝関節術後の成績は術前HbA1cが6.2以上の人は6.2未満の人に比べて、体重が減らず、膝を曲げる角度が少なく、生活困難度が大きく、雑菌による感染症が多かったです。だから前屈みの姿勢で歩いている方や糖尿病の方には人工膝関節の手術はあまりお薦めできません。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝