貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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人工膝関節手術の平均入院日数は31日。退院後に改善する人が多い。

僕は手術が嫌いな整形外科医ですが、それでも人工膝関節置換術を薦めることがあります。そんな時に患者さんからよく聞かれる質問は「どれぐらい入院するのですか?」と「いつ頃から普通に歩けるようになりますか?」です。クリニカルパスとは、同じ手術で入院した患者さんの退院までの検査や治療のスケジュールを日数ごとにまとめたカレンダーのことです。宮本先生達の病院の人工膝関節全置換術のクリニカルパスでは入院日数は平均31日で、退院時の状態は入院時より改善15.1%と同じぐらい63.4%、悪化が21.5%で、同じぐらい痛むと悪化の人を合わせれば8割以上でした。つまり、殆どの患者さんが「えーこんな痛むのに退院させるの?」と思うかもしれませんが、心配しないで下さい。ほとんどの患者さんが退院後に歩けるようになってきます。 人工膝関節置換術の適応について広島市民病院副院長の出家先生によると休憩をいれなければ6分間歩行テストを途中でできなくなった変形性膝関節症患者さんには人工膝関節置換術を薦めるとの見解を示されました。6分間歩行テストとは30mの平坦な直線コースを、6分間でできるだけ速く、長い距離を往復歩行してもらい、その歩行距離を測定する6分間歩行試験では歩行中、休憩が必要な場合は立ち止まったり壁にもたれかかったりして何度でも休むことができ、可能となれば歩行を再開します。6分間続けてあるけないと慢性心不全にもなる可能性もあります。手術反対派の僕ですが、よく転倒されるなど歩行が困難になってきたら危険ですので手術も考えた方が良いと思います。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝