
鈴木先生達は小学校5年生の時に性的被害に複数回遭い、その後いじめ被害にも遭い、窃盗などを犯し、少年院に入所された少女の治療経験を報告しています。彼女の反省日記では「他人に大切にされたい」と思っていることが語られているそうです。僕はいずれの宗教にも属していませんが、法華経には常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)が登場します。彼は人をみると「私はあなた方を尊敬して決して軽くみることはしません。あなた方はみな修行して仏陀となる人々だからです」と言いましたが、人々にはずかしめられ打たれそうです。他人に軽く扱われることが一番メンタルヘルスを傷つけます。心が傷ついた人にはだれかが大切に扱ってあげるようにしましょう。
上鹿渡(かみかど)先生によると養護施設に引き取られる子供の約半数は虐待やネグレクトによるものであり、マルトリートメント(不適切な養育)を断ち切るためにはいっしょにいてくれると思える人がみつかる場を提供することだそうです。また、三島先生達によるとメンタルヘルスを保つために気になることが生じた場合はなるべく早く、褒めるときは皆の前で、叱るときは個別にすることが肝要です。た社会福祉施設の子供達の運動会や学芸会などがあれば、観に行き拍手をしてあげるだけでも虐待を受けた子供の心を癒せると僕は思います。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝