僕は整形外科医として体育座りが腰痛の原因であるとは信じられない
体育の授業や集会でおなじみの「体育座り」。実は、世界でも日本でしか見られない珍しい座り方で、内臓を圧迫し、座骨の痛みが出るなど体には悪影響が多いという指摘があるそうです。増田先生の2014年調査で、主に関西地方の小学5年~高校3年の男女939人の12・7%に腰痛があり、座った時に痛みを訴えるケースが66・4%で、そのうち体育座り時に痛みを感じたのが52・3%でした。しかし、僕は37年以上整形外科医をしていますが、体育座りを長時間して腰が痛くなったという子供さんを一人も診察したことがありません。
そもそも膝を抱えて背中を丸める体育座り姿勢は子宮の中にいる赤ちゃんと同じポーズであり、人間にとって安定安心できる姿勢です。大島先生の研究では腰痛を誘発する動作としてTVを観ながらうつ伏せ寝の姿勢が多く、腰痛軽減する動作としては胎児姿勢などでした。
沢野先生が指摘しているように体育座りの欠点は、肥満児にとっては内臓を圧迫する可能性がある。顔を前に向け、手遊びもできないので自然教師の話を聞くために適した姿勢であり、戦前の教練的であるが、そのことに疑問を感じている教師がほとんどいないことだそうです。それらの欠点には僕も賛成します。
論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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