再掲載:膝のサポーターは履く型より巻く型を選びましょう
毎日診療をしていると「ひざを冷やさないため」という理由で、多くの患者さんが「円筒状の布」を靴下のようにひざに履いています。多くの日本人が、この円筒状の布を「サポーター」と呼んでいます。
しかしこれは、サポーターのようで、サポーターにあらず。専門家から見ると「サポーターもどき」とでも言うべき代物(しろもの)です。
この円筒形の布は保温には役立つかもしれません。しかし、サポーターの本来の目的は保温ではありません。ひざを締めつけることによって、ひざにある感覚レーダー(固有知覚)を鋭敏にすることにあるのです。
固有知覚を鋭敏にするためには、「円筒形」のサポーターよりも、「巻く型」のサポーターの方が効果的なことがわかっています。円筒形では初めはきつく感じても、サポーター本体の繊維が緩むことと慣れることで、時間とともに締め付けられる感覚が弱くなってきます。でも、巻く型では着ける度に面テープの付ける位置を少しきつく調整することで締め付けられる感覚が持続できます。
このため、スポーツ選手の多くが試合中に、巻く型のサポーターを着けています。サポーターを巻くとひざを意識するようになるので、ひざのまわりの筋肉をうまく使うことができ、痛みが出る横揺れや前後への揺れが少なくなってくるからです。
私の研究でも、27人の変形性ひざ関節症患者さんに重心動揺計に乗ってもらい、30秒間でどれだけ重心が動いたかを測ってみたところ、巻く型のサポーターを着ける前に比べて着けた後では、動いた距離が平均12・1%も減っていました。
だから、僕は変形性ひざ関節症患者さんには巻く型のサポーターを着けることをお奨めします。
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江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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