前立腺肥大症の薬は一石二鳥の薬が2種類ある。
5α還元酵素阻害剤(商品名デュタステリド)は、男性型脱毛症(AGA)の治療に用いられる薬で、薄毛の進行を抑える効果があります。鈴木先生達の研究では日本人の前立腺肥大症によって尿が出にくいなどの下部尿路症状がある患者さんにデュタステリドを半年以上飲んでもらったところ、前立腺癌の検査である血清PSA値は低下し、尿流量も増加した状態が維持されていました。
また、筋肉には自分の意志で動かせる横紋筋と血管の筋肉のような自動的に動いてくれる平滑筋があります。前立腺肥大症は前立腺にある平滑筋が緊張したままなので尿道を圧迫して尿量が減少します。同じように血管にある平滑筋が固くなってくると心臓が血液を押し出す力が大きくなり、高血圧になります。そして平滑筋の緊張を緩めてやるα1受容体遮断薬(アルファーブロッカー)は高血圧にも前立腺肥大症にも効きます。
松川先生の解説によると膀胱出口部閉塞度指数はいろいろな種類のアルファーブロッカーによって14から30も改善しました。高血圧でおしっこの出が悪くなった男性は一度試してみる価値があると思います。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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