単なる肥満よりもお腹が出ている方が膝にかかる負担は大きい
日本整形外科学会はメタボと同じく呼びやすい名前として骨や関節の老化をロコモと名付けましたが、メタボとロコモは深く関係しています。メタボには3項目あります。1中性脂肪が高い、2血圧が高い、3空腹時血糖が高いです。3項目の中で2項目ある人はメタボあり。1項目の人はメタボの疑いと診断します。
僕たちは変形性膝関節症の患者さんにヒアルロン酸関節内注射と運動を行ってもらい、メタボなし、メタボ疑い、メタボありに分けて、治療効果を比較しました。その結果、20点満点の日常生活の困難度指数はメタボなしでは平均7.2点も改善しましたが、メタボ疑いでは平均3.8点、メタボありでは平均2.9点しか改善しませんでした。
その理由ですが、メタボになって内臓脂肪がたまってくると体の重心が前に傾くため膝が自然と少し曲がってきます。膝にかかる負担は28度曲がっている時に一番強くなりますので、膝を少し曲げて歩いていると軟骨のすり減りが早くなります。だから、変形性膝関節症の予防にはウエストを男性では85cm以下女性では95cm以下に保ちましょう。
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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