戸田整形外科リウマチ科クリニック

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四十肩も五十肩も同じ。年齢より少し若めに言っています

人間は二本足で歩くので、腕の重みは肩の筋肉で吊り下げています。四十歳や五十歳を過ぎた頃から腕の重みを吊り下げている筋肉が痩せてきて、自分の腕を吊り下げているだけでも筋肉が炎症を起こします。これを四十肩、五十肩といいます。肘を曲げたまま背中に手を回すと炎症を起こしている肩峰下滑液包が圧迫されるので痛みを感じます。そんな症状には、ペットボトルなどの重りを持って、腕を振り子のように振り、手が後ろに回りやすくしましょう。それでも痛みが取れなければ、整形外科でヒアルロン酸の注射を打ってもらいましょう。 五十肩は「五十歳前後に起きる痛みを伴う肩の関節の動きにくい状態」です。しかし、医学的な定義は確立されておらず、その原因も様々です。年齢分布は50歳代が40%、60歳代が30%、40歳代が20%です(橋本淳:五十肩に対する保存的治療.プライマリーケアのための整形外科疼痛マニュアル.金原出版.東京.p235-240,2007)。つまり、四十肩の1.5倍の割合で六十肩があります。でも、六十肩という言葉を使わないのは、少し年齢より若く言った方が良いからだと思います。僕は60歳を過ぎた女性に六十肩と言わず「五十肩です」と告げ、50歳を過ぎたご婦人には四十肩と告げています。 熱かったり、臭かったりする荷物は体から遠ざけるように脇を開けて肘を曲げて持つことがあります。しかし、脇を開けると棘上筋という肩の後ろにある筋肉に負担がかかり、炎症が起き、その炎症が肩の関節の袋に波及した状態、つまり四十肩や五十肩になることがあります。だから、重い物を持つ時は脇をしめて肘を内側にしぼりこむようにして持ちましょう。こうすれば、大胸筋という胸の筋肉に負担が分散されます。ちなみに、大胸筋を鍛えるとバストもアップします。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝