岡山5歳児虐待・布団に巻かれが低酸素脳症。事件から学ぶ胸部圧迫の怖さ
また悲惨な事件が起きてしまいました。岡山市で当時5歳だった西田真愛(まお)ちゃんは日母親の西田容疑者と内縁の夫の船橋容疑者から日常的に虐待されていたそうです。2020219月真愛ちゃんは搬送前、布団でぐるぐる巻きにされており病院に搬送されたが脳死状態となり、22年1月に低酸素脳症で死亡しました。↓ここで疑問が起こってきます。虐待から3か月経って死亡したのはなぜでしょうか?低酸素脳症って何でしょうか?
低酸素脳症は、心肺停止になり脳に酸素が行かなくなり、その後心臓マッサージなどでされても残る脳の損傷のことをいいます。通常、病院の外で心肺停止になった患者さんの心拍が再開したとしても、約7割がこの低酸素脳症で命を落とすといわれています。↓つまり、一命はとりとめたが、脳死に近い状態でしばらくしてから亡くなる
しかし、低酸素脳症は日常生活でも起こりえます。木村先生の研究では胸やお腹の上に30kgの重りで126分圧迫すると呼吸不全になったそうです(本村友一ほか:日本救急医学会雑誌.25: 281-287,2014).↓30kgといえば中型犬の大人の体重です。家の柴犬が知らぬ間に寝ている胸に乗って一緒に寝ると低酸素脳症になるかもしれません。十分、お気をつけ下さい
論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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