床から立ち上がる運動は腰痛予防になる
リオデジャネイロ大学の研究では、51歳から80歳までの2002人の健常人に床に座り立つストをしました。その結果、立ち上がる時に手や膝を着く必要がある人は、脚の力だけでその動作ができる人にくらべて6年以内に死ぬ確率が2倍高かったです。そこで僕は、41~50歳までの健常人102人を肩か腰か膝の痛みの経験の有無によって既往歴あり群となし群に分類し、床に座り立つ能力に関する指数を比較しました。
方法は立った状態から手や膝をつかずに腰を落とします。次に、尻をつけます。その状態から脚をそろえてます。座り込み動作が5点、立ち上がり動作が5点の合計10点とします。足を交差して立ち上がった時は、3点減点です。手や膝をついてしまった場合は、各1点減点です。バランスを崩した場合は、0.5点減点です。
その結果。腰痛の経験がある人の床に座り立つ点数の平均値は6.8点であり、腰痛の経験なしの人平均の8.2点に比べて統計学的に明白に少なかったです。このような差は膝関節痛や肩関節痛にはなかったです。
その理由ですが、腰痛になり易い人は長時間同じ姿勢を続けているため骨盤の周りの筋肉が固い人が多いです。人間前屈みになる時には、腰の骨だけで前屈みになっているのではなく、骨盤も前に回転してくれています。ところが、長時間座っていると骨盤の周りの筋肉が固くなっているので骨盤が上手く回転してくれず、腰にかかる負担が増え、腰痛がでてきます
解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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