日本成人の22.5%が慢性疼痛。それによる経済損失は、約2兆円に上る。
日本人は痛みを我慢しやすく、アメリカ人は痛みに弱いと言われます。しかし、果たしてそれは良いことでしょうか?松岡先生の解説によると手術後3ヵ月以上経過しても継続する痛みを術後慢性痛といい,術後10~50%の患者に起こります。手術後の強い痛みによって痛みを伝える神経が弱い痛みでも大げさに強い痛みとして伝えてしまうので,手術創部が治癒した後も痛みが慢性化します。だから、手術後の痛み止めを拒んではいけません。日本における慢性疼痛患者数は、約2,315万人と推計されています。これは、日本成人の22.5%に相当します。 慢性疼痛による経済損失は、約2兆円に上るとも言われています。
同じ用に腰痛が治りにくい人の特徴は「会社で痛みがわかってもらえないので診断書を書いて下さい」という人や「治療しても全然良くなりません。このまま悪くなるのでしょうか?」と不安を述べられる患者さんが多いです。Moriki先生達が70人の慢性腰痛症患者さんで調査した結果では「自分にはストレスが多い」という気持ちと「今後痛みが増すのではないか」という不安感によって脳が影響を受け、痛みの増強や広範囲の慢性難治性の疼痛を引き起こす脳感作と関連がありました。そして不安感は睡眠の質とも関連していました。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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