欧米人の真似をして室内でも靴を履くのは止めましょう
アメリカのシェーカー先生は、靴を履いた時に比べて裸足の時の方が膝にかかる負担は減ると報告されました(Shakoor N, Block JA. Walking barefoot decreases loadin on the lower extremity joints in knee osteoarthritis. Arthritis Rheum 54: 2923-2927, 2006)その理由は、靴にはヒールがついているからです。では、靴のヒールによる悪影響と足底板を入れることによる好影響はどちらが強いのでしょうか?私(戸田佳孝)は、75人の変形性ひざ関節症の患者さんの中で室内履きとして、38人には平坦なスリッパを、37人には高さ2cmのヒールを付けた平坦なスリッパを渡して、「家の中では、このスリッパに足底板を入れて履いて下さい。」と指導しました。そして、4週間治療前後での日常動作の困難度の改善点数を比較しました。
その結果、ヒールなしスリッパに足底板を入れた人達では平均で1.5点困難度が改善しましたが、2cmのヒールの付いたスリッパに足底板を入れた人達では、平均1.2点悪化しました。この差は統計学的にも明白でした。このように、室内ではできるだけ裸足に靴下だけを付けた状態で歩いた方が膝には良いです。この内容は、日本膝学会誌に2008年に掲載しました(戸田 佳孝ほか:高さ2cmの靴ヒールでさえ変形性膝関節症に対する中敷型足底挿板の臨床効果を減退させる.膝.32:13-16,2008)
論文の解説 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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