貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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温泉では「ボーと浸かってんじゃねーよ」。湯船で運動しよう

僧帽筋は上部、中部、下部の三つの部分に分かれています 四十肩の特徴的な症状は腕が背中に回りにくくなることですが、それと同じような症状が高齢者でもでてきます。その理由について政所先生達は,僧帽筋上、中および下線維の筋硬度と肩甲骨の動きの関係について3次元動作解析装置を用いて調べました。その結果,健常高齢者における僧帽筋下部線維の筋硬度が,僧帽筋上部および中部線維と比べて明白に固かったです。また,僧帽筋下部の筋硬度と肩甲骨後傾角度との間には明白な比例関係がありました(政所和也ほか:ヘルスプロモーション理学療法研究.8:47-50,2018.)。 つまり、僧帽筋下部は年齢の変化によって僧帽筋上部および中部線維よりも柔軟性が失われやすい可能性があります。だから、70歳を過ぎてからも「腕が後ろに回りにくい」など四十肩によく似た症状が起るんですね 吉永先生達は、肩こりを自覚している成人女性10名を対象に、運動のみと:温泉入浴時に運動した場合の効果を比べました。僧帽筋部の筋硬度を入浴前と入浴後に比較した。その結果運動のみでは30分後に筋硬度が有意に低下しただけであったのに対し、温泉で運動した時では運動直後から時間の経過とともに筋硬度が有意に低下しました。つまり、運動のみでも筋硬度の低下はもたらされており肩こり改善に有効であるが、温泉入浴を併用するとことで早期から筋硬度が低下し、肩こり改善により効果的であると結論しました(吉永砂織ほか:日本健康医学会雑誌.28: 402-406,2020.)。温泉に行った時にはボーとするのも良いですが、筋トレを一緒にすると肩こりには良いようです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝