
センナは、アフリカ原産の生薬で、大腸を刺激して排便を促す「刺激性下剤」です。刺激性下剤の一種であるセンナにはセンノシドという成分が含まれており、大腸の粘膜を刺激してぜん動運動を活発にします。センナの実、葉、茎は「医薬品」に該当するため、食品に使用することは禁止されています。茂木先生達の調査では「痩せる」という効果で宣伝している13の健康食品の成分を分析したところ1つの食品にはセンナの葉が含まれていたため、福祉保健局を通じてマスコミに公表しました。つまり、痩せるというのは便を出して痩せるだけで脂肪などを減らす効果は全くない健康食品もあります。毎日のように刺激性下剤を服用していると、大腸粘膜に黒い色素が沈着して腸の動きが鈍くなるメラノーシスという状態になります。メラノーシスになると便秘の症状が悪化してしまい、さらに下剤を飲むとう悪循環を生じます。
下剤にはセンナなどのセンノシド系下剤と腸の中の浸透圧を下げ便に水分を多く含ませて便を柔らかくする酸化マグネシウムなどの浸透性下剤があります。鈴木先生らによると今なお昔からある市販薬(センノシドなどの刺激性下剤)が中心となっているのは困ったものだと述べています。硬い便を押し出すと腸の壁を傷つけて大腸がんができやすくなるので下剤は便を柔らかくする薬をまず選びましょう.解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝