痩せ型の高齢者には豆乳と筋トレ
佐藤先生の研究では高齢者に豆乳200mlを1日1本(たんばく質含有量9.2g)飲んでもらいながら3ヶ月間筋トレをしてもらいました。その結果、全体的には体重や握力に明白な効果はでませんでしたが、BMIが21.5 kg/m2、つまり、痩せ型高齢者では5回立ち上がりテストに要する時間が明白に短くなりました。以上の結果からフレイル、つまり虚弱体質になる予防には豆乳と筋トレが有効であることがわかりました。
筋肉の老化は関節を曲げる筋肉よりも伸ばす筋肉、上半身の筋肉よりも下半身の筋肉の方が顕著に現れてきます。30歳の時の筋力を100%とした時に、70歳の時の膝(下半身の関節)を伸ばす筋力は40%まで落ちています。しかし、総務省が行った2011年社会生活基本調査では、60歳以上の人が行っている多い運動は、1位がウォーキング・軽い体操(35.2%)、2位がボウリング(12.8%)でした。たしかにボウリングはゲームなので楽しいスポーツですが、筋力のことを考えれば、自転車やエアロバイクなどの下半身の伸ばす筋力を使うスポーツの方が健康には良いと思います。解説:江坂の整形外科クリニック 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
前の記事へ | TOPヘ | 次の記事へ |