社会福祉施設が行う発表会を観に行こう。
発展途上国では新生児死亡率が高く、ロータリー財団の強調しているのは5歳未満の幼児の罹病率の削減です。
幸いにも日本の新生児死亡率は0.1%未満であり、世界で最も低いです。しかし、虐待死亡が多く、日本での虐待死の58%が新生児で起こり、その背景は殆どが若い女性の望まない妊娠です。ある調査では35例の幼児虐待死の犯人は実母が20例(57%)に対して祖母はたった1例でした。つまり、祖父母に引き取られるのが虐待死を防ぐのに一番良い方法と考えられます。しかし、祖父母が引き取れない家庭もあります。児童相談所は年間4万件の児童虐待の相談を受けます。不適切養育を理由に施設に入所している子どもはおおむね1万5,000人であり、そのうち20%の子どもは元の家庭復帰する方向で話が進みますが、25%で虐待が再発しています。つまり、年間750人の子供が再び親から虐待を受けています。日本でも里親制度の充実が重要です。
読売新聞の調べでは里親へ引き取られた虐待児童の18%が里親の元を離れていました。その理由は、一度心に傷を受けた子供は他人に心を開けなくなりやすいからです。松本清張の砂の器で秀夫が大事にしてくれた三木巡査の家を逃げ出したのも心の傷のためでした。
そういった意味では実の親と何らかの理由で一緒に暮らせなくなった社会福祉施設の子供達のクラブ活動、例えば歌や踊りの発表会などに積極的に参加することは、心の傷を癒やすのに有効だと僕は思います。解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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