神経を栄養する血管には関所があるために神経には薬が効きにくい
皮膚のすり傷は1週間ほどですぐに治るのに,坐骨神経神経の傷(障害)はどうして治るのに3ヶ月もかかるのでしょうか?
血液中を流れている神経にとって有害な物質が神経に入らないようにするため、神経に栄養を与える血管には血液神経関門(かんもん)という関所(せきしょ)のような部分があります。しかし、関所は神経に有害物質を通さないだけではなく、分子量が比較的大きい傷を早く治す働きのあるサイトカインや神経栄養因子の多くも通してくれません。(神田隆:末梢神経疾患研究の現在.末梢神経疾患と….臨床神経学.49: 959-962,2009.)。例えれば、神経は有害な物質も入ってこないので自然環境が残っているいるが、特効薬の届かない不便な離れ小島のような状態なのです。だから、神経の傷は皮膚の傷に比べて治りにくいのです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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