貴晶会戸田リウマチ科クリニック

診察予約・お問合せは 06-6387-4114
受付時間 | 9:30〜12:30(月-土) 15:30〜18:30(月-水,金)

糞便微生物叢移植は脳梗塞の危険性を減らすかもしれない。

Tao先生たちの研究ではラットを高脂肪食で4週間飼育し脳梗塞を起こしやすい状態を作りました。次に若いラットの糞便を用いた微生物叢移植を30日間行いました。その結果、高脂肪食で4週間飼育した直後の肥満ラットでは神経学的スコアが低く、脳水分量と脳梗塞体積が多かったですが、糞便微生物叢移植により神経学的障害が改善されました。以上より糞便微生物叢移植は肥満ラットの脳虚血障害を抑制し、脳梗塞の危険性を減らす可能性があることがわかりました。 金澤先生達の報告では脳梗塞になる前には多数の動脈血管狭窄のあることが判明しました。岡村先生の2022年に改定された動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、中性脂肪が高いとアテローム血栓脳梗塞になりやすいです。 つまり、中性脂肪が高いと脳梗塞になりやすいと考えられます。将来、人間でも脳梗塞の予防として糞便微生物叢移植が用いられるかもしれません。 解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝