肩こりと呼ぶけど実際には頭痛も含まれている。
整形外科でいう肩関節は腕の付け根です。一方、一般的に言う肩こりに当たる英語は「chronic neck pain」つまり、慢性的な首の痛みです。福武先生が指摘しているように、日本語の肩こりの定義は後頭,項(うなじ),肩,上背部にかけての重苦しさや張った感じなどの主観的つらさを意味します。頭痛は圧倒的に女性に多いです。その理由について陣内先生達は片頭痛はエストロゲンの影響下で重症化しやすく、デスクワークなど最近の日常生活や仕事上の姿勢の悪さで増悪することが多いと述べています。いわゆる肩こりが難治性や遷延性の頭痛に発展しやすい理由は、日本では医療機関で処方されているロキソニンなどの痛み止めが薬局で入手できるので、薬局の薬でやり過ごす人が多いからだと陣内先生達は述べています。
肩こりを放置して重症化すると首下がり症候群が起こることがあります。デスクワークやスマホを使い過ぎてしかも運動不足になると首の周りの筋肉が痩せてきて、頭の重さを首の筋肉が支えることが難しくなり、頭が前に垂れ下がってくる首下がり症候群が起こってくることがあります。頭が前に垂れてくると首の前にある斜角筋や胸鎖乳突筋が短縮して固くなり、首の血管や神経を圧迫してひどい肩こりや腕の痛みになることがあります。そんな人は鎖骨を手で押さえながら頭を反対側に回し、口をパクパクしながら斜角筋と胸鎖乳突筋をストレッチしましょう。解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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