貴晶会戸田リウマチ科クリニック

診察予約・お問合せは 06-6387-4114
受付時間 | 9:30〜12:30(月-土) 15:30〜18:30(月-水,金)

肺癌のロボット支援手術のミスで60歳代男性が死亡

大阪府吹田市の市立病院で、手術支援ロボットを使った肺がんの手術中にミスがあり、その後、患者が死亡していたことが分かりました。 吹田市民病院の発表によりますと、2020年10月、肺がんを患っていた60代男性の手術中に医師が手術支援ロボット「ダヴィンチ」を操作した際、誤って大動脈を傷付けてしまったということです。 患者は、大量の出血により脳に大きなダメージを受けて、手術から17日後に死亡しました。モニターに手術器具が映っていない状態にもかかわらず、医師がロボットを操作したことが事故の原因でした。 皆さんの中にはロボット手術と聞くと人間の形をしたロボットが手術をすると思われているかもしれません↓。実際には人間が操作しています。人間の手先は呼吸などの影響で僅かに震えます。ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける4本のロボットアームと内視鏡が装着され,術者は箱型の操作部に映し出される鮮明な内視鏡画像を見ながら人の手先より正確に操作ができます.. 肺癌に対する体にダメージを与えない低侵襲手術として、お腹の手術に加えて2018年よりロボット手術の保険適応が認められました。しかし、中村先生達はロボット手術の欠点は値段が高いことと手術時間が長いくなることを指摘しています(中村廣繁ほか:癌と化学療法45:1701-1705,2018.)。実際、池田先生は50人の肺癌患者さんにロボット手術をしたところ、人間が手術するよりも手術時間が長くなりました(池田直樹ほか堺市立総合医療センター医学雑誌 .19: 80-85,2019.)。今後の改善が期待されます。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝